現世での一番古い記憶
人間としてこの世に落とされ、
不器用ながらも、たくさんの人生経験を送ってきた中で
ずっと忘れていた記憶。
何かの拍子に思い出した、とても懐かしい記憶。
それは
毎晩、家の庭に迎えにきてくれた龍ちゃん。
背中に乗せてもらって夜空の散歩。
話をしながら夜空の散歩は楽しかった。
何を話していたのかは、思い出せないけど、
最後の日だけは、覚えてる。
龍「もう、来れないんだ。今日が最後なんだよ」
私「・・・悲しい・・・」
最後の散歩をして、龍ちゃんをギュッて抱きしめた。
最後の龍ちゃんは、何度も何度も振り向きながらお空に帰って行った。
とっても悲しかった。
今、思うと、「なんで来れなくなったの?」
って聞けばよかったなって思う。けれど、
人間として生まれた私が龍ちゃんと会えるのは
物心がつくか、つかないかの頃までだったんだよね。
そう思う私でした。